江別・大麻の歯医者 YOU歯科 フッ化ナトリウム

 

参考:Wikipedia フッ化ナトリウム

歯科ではフッ素を虫歯予防に使用しますが、ガンができるという話や骨肉腫、ダウン症と関係しているなど体に有害なことがいろいろなサイトで取り上げられています。

そのような情報を見ると確かに非常に不安になってしまうというのが実際ではないでしょうか?

しかし、現時点ではフッ素を使用した虫歯予防には大きな効果があり、大量にとると問題が起こることもありますが通常の量では大きな問題が生じることもなく、問題なく使用できる有効な成分です。

現在問題になっているのは、フッ素塗布の際にアレルギーに関するものです。

通常の使用であればフッ素のアレルギー以外の中毒などの悪影響にさらされる可能性は著しく低いです。

※フッ素は正式には「フッ化化合物」という名称ですが、ここでは分かり易いようにフッ素とします。

江別・大麻の歯医者 YOU歯科 フッ素の中毒症状とアレルギーの違いについて

フッ素の中毒症状とアレルギーの違いについて

フッ素を含めてなのですが、一般的に中毒症状とアレルギーには違いがあります。

フッ素には、中毒症状を示す可能性がありますが、アレルギーに関しては現在明確な報告はありません。

フッ素に対してアレルギーを起こした可能性があるとして、調べてみたら実は違う原因だったということはあります。

参考文献:石川 昭など:ミラノールによるアレルギーが疑われた症例.口腔衛生会誌.(54)81-86.22004.
石川 昭:ミラノールにアレルギーが疑われた女児にパッチテストを試みて.口腔衛生会誌(55)194-198.2005.

中毒とアレルギーを理解してからこちらの記事を読んだ方が理解が深まるのでちょっとお付き合い下さい。

中毒とは

ちょっと分かりにくい表現ですが中毒とは医学的にみると、生体に対して害をなす物質が症状が現れるほど体の中に取り込まれて機能不全を起こした状態を言います。

ただし、医学的には薬物中毒(依存症)やアルコール中毒(依存症)など依存症を指す場合もあるので混同しやすくフッ素中毒などで使用するのは本来は分かりにくい日本語になります。

ただし、一般の人達はフッ素中毒などのキーワードで検索をかけることが多いと思いますので、少し説明します(実際にフッ素には急性中毒と慢性中毒という言葉が良く使用されます)。

医学的には中毒では急性中毒と慢性中毒に分けられ、フッ素では一般的にこの急性と慢性の2つの種類に分類されます。

他の名前では化学物質過敏症などの名称で使用されることもあります。

アレルギーとは

アレルギーとは、ある特定の物質に対して特異的に体の免疫機構が過剰もしくは不適切に反応して、体に対して障害を起こす状態を言います。

一般的には金属アレルギーやハウスダストアレルギーなどが一般的に知られています。

金属アレルギーとは言いますが、金属中毒とは言わないと思います。

フッ素に対して日本弁護士連合会はアレルギーを引き起こす可能性があると指摘しています。

それに対して、日本歯科医師会などはフッ素はアレルギーを引き起こさないと反論しています。

フッ素におけるアレルギーの考え方については後ほど詳しく説明します。

フッ素の過剰摂取による急性中毒症状について

江別・大麻の歯医者 YOU歯科 フッ素の過剰摂取による急性中毒症状について

 

フッ素には中毒症状がありますが、まずは急性中毒について説明します。

フッ素の急性中毒の症状は、一般的に言われているのは悪心(具合が悪くなること)と嘔吐(はくこと)です。

フッ素洗口の薬剤を誤って飲んでしまった場合の急性中毒が起こる量については、諸説ありますが5~17名分の量(体重によっても変わります)を飲まないとフッ素中毒は起こらないと言われています。

昔実際にフッ素を飲んでみる実習が昔ある歯学部で行われました。

その時には、悪心(全体の7割程度)と嘔吐以外(半数以上で吐き気を訴えそのうち実際に嘔吐した人も数名)にも腹痛を訴えた(1/5の学生で)ようです。

ただし、これはかなり高濃度のフッ素が使用されました。

フッ素の過剰摂取による急性中毒が起きる量は?

フッ素の急性中毒に関しては、実際にどれくらいの量で生じるかについては諸説あり、定かではありません。

これは、急性症状を生じるくらいの量が実ははっきりわかっていない為です(人体実験になってしまうからです)。

実際にBaldwinという人が自分でフッ素を飲んでどのようになるか試した文献があります。

これは、1899年に発表されたもので、フッ素の急性中毒量は 2mg/kg と推定されています。

参考文献:Baldwin, H.B.:The toxic action of sodium floride:J. Am. Chem. Soc., 21:517, 1899.

ここで注意しなければいけないことは、この論文はみてわかるとおり100年以上前の論文になっています。

また、この論文ではBaldwin自身の体重の記載がない為に2mg/kg くらいではないか?という推定の域を出ない論文が元になってフッ素の急性中毒が論じられていました。

その他には、先ほども説明した昔行われたある大学の歯学部での実習で起こった症状などから推測されています。

文献やこれらの実習から、急性中毒が発生するフッ素の量は体重あたり0.1~0.8mg/kgではないか?と推測しています。

ただし、個人差や胃の中に何かあるのかなどで一概には言えないと言われています。

フッ素の過剰摂取による慢性中毒症状について

江別・大麻の歯医者 YOU歯科 フッ素の過剰摂取による慢性中毒症状について

フッ素の慢性中毒の症状としては、歯のフッ素症と骨のフッ素症の2つに分類されます。

歯のフッ素症について

歯のフッ素症とは斑状歯(はんじょうし)と呼ばれる状態で見た目が悪くなるという状態です。

これは歯が形成される時期に長年フッ素が高い濃度の飲料水を飲んでいた場合に生じます。

この斑状歯には色々なレベルがあり、治療を必要としないものから修復処置を必要とするものまで様々です。

これは、長年にわたり主に飲料水などで多くのフッ素をとった場合に生じるものです。

日本においても、1971年に兵庫県の宝塚市で水源の六甲山系の水から水質基準を上回るフッ素が検出されて歯のフッ素症が多く報告された事が過去にありました。

その後、宝塚市は歯のフッ素症に対する治療補償を行ったり、水源に対して日本で唯一のフッ素除去装置を設置したりして対応しました。

そのような対応をしましたが、宝塚市の責任を問う訴訟にまで発展しています。

ただし、全て棄却されましたが(1次~2次訴訟がありました)。

骨のフッ素症について

骨のフッ素症とは、フッ素が長期間体内に取り込むことで生じる病気ですが現在骨のフッ素症については発生する頻度が著しく減っています。

これは現代人が高濃度フッ素にさらされる機会が減っているからです。

新しい研究といっても1991年に行われたもので、この時でも骨のフッ素症にかかって居る人を探すのは非常に困難でした。

参考文献:工藤 浩一:骨フッ素症の臨床的疫学的研究:日本衛生学雑誌.46(5).984-993.1991.

この論文では、中国のあるアルミニウム工場と日本で高濃度のフッ素が含まれた井戸水を飲んでいた人が対象に調査が行われました。

骨のフッ素症では骨の硬化像(骨密度の増加など)や靭帯などの軟組織にも骨化がみられます。

そして、この骨のフッ素症にかかった場合は、骨折しやすく成り骨折した後の治りが著しく悪くなると言われていますが、先ほどもお話ししたように現代人ではフッ素洗口などを行っていてもかかる可能性は著しく低いでしょう。

フッ素洗口に使用する液体をグビグビ飲んでいたら別ですが。

フッ素の過剰摂取による慢性中毒が起きる量は?

江別・大麻の歯医者 YOU歯科 フッ素の過剰摂取による慢性中毒が起きる量は

参考:Wikipedia フッ化ナトリウム

歯のフッ素症が起きるフッ素量について

歯のフッ素症は別名斑状歯と呼ばれ、あごの骨の中で歯が出来る時に高濃度フッ素をとっている時に発生します。

具体的には飲料水レベルであれば1ppmで斑状歯が現れます。

2ppmの飲料水を7歳位まで飲み続ければ中程度以上の斑状歯が現れます。

骨のフッ素症が起きるフッ素量について

4ppm以上で明らかに骨のフッ素症の割合が上がると言われています。

摂取期間については10年以上(文献によっては15年以上)と言われています。

フッ素が及ぼす悪影響に対して心配している人達

江別・大麻の歯医者 YOU歯科 フッ素が及ぼす悪影響に対して心配している人達

フッ素が使用されるのは当然ですが、虫歯予防に使用されます。

近年はフッ素に対する悪影響に懸念を示す方が、多くみられその使用に制限をかけようとする動きもあります(日本弁護士連合会など)。

日本弁護士連合会の「集団フッ素洗口・塗布の中止を求める意見書」はこちらです。

日本弁護士連合会は、フッ素の虫歯予防効果を認めつつ、虫歯予防がフッ素に対する大きな効果が無い(特に虫歯があまりない人に対して)とする研究をあげて、集団で行うフッ素に対して疑問を呈しているのです。

フッ素に対する悪影響があると考え、集団でフッ素洗口を行ったり、塗布されることを中止してはどうだろうか?と主張しています。

簡単に言うと日本弁護士連合会は「個人の選択に対する自由があって良いのではないだろうか?」というのがこの意見書の内容です。

私自身は問題が無いのでフッ素を使用した方が良いと思います。

ただし実際に指導を行う立場としては、日本弁護士連合会のいうことも理解できます。

個人的に行いたくないのであれば、中止すればいいですしこちらも無理に洗口や塗布を勧めません。

個人が選択する自由があるからです。

フッ素のアレルギーに関して

江別・大麻の歯医者 YOU歯科 フッ素のアレルギーはあるのか

 

フッ素にはアレルギーがあるという説とアレルギーは無いと言う説の二つがあります。

日本歯科医師会はアレルギーは無いとしていますし、それに対して先ほども説明した日本弁護士連合会はアレルギーが出る可能性があるとしています。

そのため、日本弁護士連合会は集団で行うフッ素塗布とフッ素洗口の中止を申し入れているのですが、私も属している日本歯科医師会はフッ素による虫歯予防効果が大きいと考えてフッ素の推進を行なっています。

実際に、多くの歯科医師会で歯に関係するイベントでは、お口の無料検診の他にもフッ素の無料塗布を行なっているところが多いです(私も歯科医師会のイベントに参加しています)。

日本弁護士連合会は論文をあげて、フッ素によるアレルギーの可能性があると主張していますが、この論文では実際にフッ素(ミラノールという薬剤)に対してアレルギーテストを行っていますが、出ていません。

日本弁護士連合会の主張を読むと、フッ素によりアレルギーが出る可能性が否定できないので、フッ素塗布やフッ素洗口を行わなくても良いのではないか?と言う趣旨に理解できます。

確かに個人の自由なのでこの主張は理解できます。

最近は、フッ素先洗口による誤嚥(誤って飲み込むこと)が問題視されて、低学年の子供に対してはフッ素洗口を積極的に行わない方向には来ています。

また、フッ素による虫歯抑制の効果に対する疑問なども研究結果から出てきていますので、フッ素を行わないと言う個人の選択肢を残しておくというのは、考え方としては問題ないと思います。

その為、個人の自由として、日本弁護士連合会がフッ素の洗口・塗布に反対するのは理解できます。

やりたくない事を無理に行わせる必要はありません(個人の自由ですから)。

ただし、ここで重要になってくるのはフッ素を完全な悪者扱いにすることです。

疫学的にみても、フッ素には虫歯が多発する場合などにおいては、フッ素塗布による明らかな虫歯予防効果があります(これに関しては日本弁護士連合会も認めてはいます)。

これを否定してまで、フッ素を悪者扱いする必要はないと思います。

フッ素の日本弁護士連合会に対する考え方

江別・大麻の歯医者 YOU歯科 日本弁護士連合会とフッ素

 

フッ素の虫歯予防の有効性を認めてはいても、フッ素の代わりにCPP-ACP (リカルデント)など牛乳由来の虫歯予防成分も出て来ていると考えています。

確かにこのリカルデントは虫歯予防に対して効果を発揮すると期待されている物質ですが、発見されたのが最近ですから、フッ素ほど長く検証されてはいません。

フッ素のアレルギーについて調べると、実際にアレルギーを体験した方のブログなどが出て来ますが、純粋なフッ素アレルギーではなく、牛乳由来の虫歯予防効果があるについて書かれたものだったりします(CPP-ACPなどです)。

また、歯ブラシが最も有効な虫歯予防効果を発揮するものとして、考えフッ素は補助的なものという主張を行っています(確かにこれは歯科医師として私も全面的にこの考えは支持します)。

確かに予防処置で最も重要な事も歯ブラシなのですが、小さいお子さんの歯ブラシを十分に行ういうのはなかなか難しいことです。

歯ブラシの他には食事指導などにもよって虫歯の抑制は可能ではあります。

しかし、これらを上手く併用してもむし歯を予防する難しさはあります。

患者さんの中には「歯ブラシの時に抑えつけて行って、泣き叫ぶ時もあるので児童虐待と言われかねない」と相談する保護者の方もいます。

本来高齢者のように唾液の分泌が少なくなっていなければ、歯ブラシを丁寧に行えばフッ素などを使用せずに虫歯予防が可能なはずです。

実際には中々そうはならずフッ素や食事指導を合わせて行い、虫歯の進行を抑制しているというのが現実ではないでしょうか?

甘いものなどに対する食事指導もなかなか難しいので現実的には、虫歯ができてしまうというので何か方法はないかと保護者の方が悩まれる問題です。

フッ素洗口や塗布に反対している日本弁護士連合会でも、純粋にフッ素にアレルギーがある事を認めていません。

「アレルギーの可能性が否めない」という言い回しをしています。

確かに、フッ素も化学物質ですから、アレルギーの可能性は否めませんが、現在までアレルギーの報告はありません。

日本弁護士連合会が、意見書として出しているPDFには、ミラノールというフッ素に対してアレルギーの可能性があった人に対してアレルギーの検査を行ったら、全くアレルギーではなかったという結論にしている論文です。

これを元にして、フッ素はアレルギーの可能性が否めないものであると結論づけていますが、アレルギー源として否定されていることを考慮するちょっと論理的展開としては弱いものがあります。

まとめ

フッ素には、虫歯抑制効果がありますがフッ素を有害視する方や団体もあります。

確かに間違った方法で洗口したりすると中毒などを起こす可能性もありますが、正しい使用法で行うと非常に有用な虫歯予防効果を発揮します。

通常の使用では問題視する必要はありませんが、低年齢では最近フッ素洗口を取りやめる考え方が主流をしめています(誤嚥を防止するため)。

しかし、フッ素の虫歯予防効果は高いのであまり悪者扱いしないでフッ素を上手に使用して虫歯予防を行うことが重要になります。