江別・大麻の歯医者 YOU歯科 子供の歯並びとマウスピース矯正

 

最近マウスピースを使用した矯正治療が話題になっています。

子供の歯並びにマウスピースを使用した矯正治療は行えるのでしょうか?

結論からいうと子供の歯並びにマウスピースを使用した矯正治療は行えます。

しかし、大人に使用するマウスピース矯正装置とは全く構造や素材が全く異なります。

また、始める時期については賛否両論ありますが問題なく治るならば開始する時期は遅い方が良いです。

早い時期から初めてしまうと、矯正治療を行う期間が長くなってしまうからです。

矯正治療の期間は短い方が患者さんサイドの負担が明らかに少ない為です。

子供の矯正治療に使用するマウスピース矯正装置はどのようなものか?

江別・大麻の歯医者 YOU歯科 子供の矯正治療に使用するマウスピース矯正装置はどのようなものか?

 

マウスピース矯正という言葉は大人に使用される取り外しが出来る装置から使われ始めた言葉になります。

それ以前にも子供に使用するマウスピース矯正は存在していましたが、子供に使用するマウスピース矯正は取り外しが出来る矯正装置(可撤式矯正装置)として分類されていました。

まずは子供に使用するマウスピース矯正装置について理解することが重要になります。

矯正歯科医がこれらについて書いている情報が少ない為に、患者さんを集める情報に特化したサイトが多い為に情報が錯そうしています。

子供の歯並びに使用するマウスピース矯正について

一般的に、成人で使用するマウスピース、床矯正に使用するマウスピース、運動の時にあごを守るマウスピース、子供に使用するマウスピースについては素材も違いますし、構造も全く異なります。

子供の歯並びに使用するマウスピース矯正の装置の種類について

一般的にムーシールドやマルチファミリーといった大人に使用するマウスピース装置よりも柔らかい素材で出来ています。

ムーシールドはアクリル樹脂でマルチファミリーはシリコーンになっています。

両者とも、大人の矯正治療に使用するマウスピース装置よりも柔らかい素材でできていてなおかつ大きさが大きいのが特徴です。

代表的な装置としてムーシールドとマルチファミリーをあげましたが、これに類似した商品もあります。

ただし、多くはこのムーシールドとマルチファミリーを理解すれば良いと思います(TK4やプレオルソなどのマウスピース矯正装置も存在しますが一般的にはムーシールドやマルチファミリーが主に使用されるので)。

ムーシールドとはどのような装置なのか?

江別・大麻の歯医者 YOU歯科 ムーシールド

参考:株式会社モリタ

ムーシルドはと言うポリメタクリン酸メチル(PMMA) というアクリル樹脂で出来ています。

これはゴムに似た素材で、3歳位から使用できる反対咬合(受け口)に使用する矯正装置です。

使用時間が長いほど効果が高くなるので3歳から使用できると言っても、使うお子さんが理解しないと治療効果を発揮することが出来ないので注意が必要です。

寝ている時に主使用する装置なので、お口の中に入れてくれないと効果を発揮しません。

ムーシールドはどの様な効果を狙っているのか?

ムーシールドは一般にいう受け口(専門用語では反対咬合)にのみ使用します。

ムーシールドを使用するのは一般的に低年齢のお子さん(3歳位)に使用するものです。

これは2歳の時の反対咬合は50%程度自然に治ることがあるのに対して3歳を過ぎると自然に治る確率が著しく減ってしまう(愛知学院大学 歯学部が調べたデータでは6%)と言われている根拠に基づいています。

その為、早期治療に用いる矯正装置になっています。

この装置は、筋肉を正しい使い方に導いたり呼吸を正しい(口呼吸から鼻呼吸)方法に導いたりする効果があります。

その他には舌の位置を正しい位置に修正する事を目的にしています。

骨格的な効果は期待できないので注意が必要です。

マルチファミリーとはどのような装置なのか?

江別・大麻の歯医者 YOU歯科 マルチファミリー

 

参考:株式会社モリタ

マルチファミリーはムーシールドと異なり色々な噛み合わせの問題に対して治療出来る装置になります。

反対咬合のみならず、上顎前突(一般的には出っ歯)、過蓋咬合(一般的には噛み合わせが深い状態)、叢生(一般的にはガタガタ)、開咬(一般的には奥歯は噛んでいるのに前歯に隙間があるもの)などに使用できます。

ムーシールドと似た素材で出来ていますが、マルチファミリーはシリコーン製で出来ています。

適応年齢もムーシールドよりも高年齢のお子さんに適応される事が多く、マルチファミリーは5歳位のお子さんから使用されるマウスピース矯正装置になります。

マルチファミリーの効果について

マルチファミリーはムーシールドと異なり、上下の歯を一つの塊にして上下の歯に作用します(専門用語でモノブロック化と言います)。

唇の近くに存在するマルチファミリーの構成部分(専門用語で口腔前庭フィールドと言います)が歯にかかる力を少なくして、お口の周囲にある筋肉の働きを適切にする目的があります(矯正装置のリップバンパーという装置の効果と似ています)。

実は舌の位置は、飲みこむ(嚥下)動作に大きく影響を与えてしまいます。赤ちゃんの時(乳歯が生えていない状態)と乳歯が生えてきた時では舌の位置は全く異なるのです。

マルチファミリーでは舌が歯を押す事が出来ないような構造になって、舌を正しい位置に導く効果があります(矯正装置のタングクリブという装置の効果と似ています)。

大人に使用するマウスピース矯正装置について

江別・大麻の歯医者 YOU歯科 大人に使用するマウスピース矯正

 

子供に使用する、マウスピース矯正装置について理解できたと思いますが、大人に使用するマウスピース矯正装置は個々の歯並びを整えることとを目的としていますから、目的が全く異なります。

大人に使用するマウスピース矯正装置は、ポリアミドなどの素材で出来ています。

カーボネイトのような素材で、この素材が持つ弾性で歯を目的の位置に動かす方法の矯正治療になります。

これには、様々な種類があり代表的なものとして「インビザライン」や「クリアライナー」などがあります。

私自身は「クリアライナー」という方法で行っていますが、近年矯正治療に精通していない歯科医師も行っており、上手く行かなった時のリカバリー方法を持っているかどうかを確認することが重要です。

確認することは、最低でも日本矯正歯科学会の認定医や指導医を取得しているかどうかとい事になります。

リカバリーする方法は、このマウスピース矯正で行う方法や他の矯正装置を使用して行う方法になりますので、この様な簡便な装置を使用するだけでなく、他の矯正装置を使用することができる矯正歯科医の元で使用するのが良いでしょう。

ムーシールドとマルチファミリーについて矯正歯科医が思う事

江別・大麻の歯医者 YOU歯科 ムーシールドとマルチファミリーについて矯正歯科医が思う事

 

私も何例か使ったことがありますが(重度と考えられる症例)、一般的には小児歯科での使用が多いと思います。

この理由は、矯正歯科医の所にムーシールドを使用する年齢のお子さんは来院しないからです。

実はムーシールドについては矯正歯科医の間では賛否両論があり、開発したのが矯正歯科医ではあるのですが、治療期間が長くなってしまうという問題があります。

「後の治療でも十分回復が可能ではないか?」という議論があるのです。

矯正装置と言えど異物のですから治療期間は短い方が良い為です。

私が使用した、患者さんの保護者の方から「異物感があって使いにくい」と言われたこともあります。

矯正装置自体異物感が強いものですし、将来外科的な矯正治療の可能性もある方でしたから、説得して使って貰いましたがやはり低年齢のお子さんにこのような装置を使用するは難しいと考えさせられたものです(3歳位の小さいお子さんとの意思の疎通が難しいものがあると思いました)。

矯正歯科医が使用する場合は、低年齢の時に簡便的に使用する目的で使用するのが一般的です。

骨格的な要因が強い反対咬合には使用してはいけない装置になります。

しかし、低年齢で骨格的に作用する矯正装置はありません(もっと大掛かりになりますし、骨格的に作用する矯正装置は使用する本人が矯正治療に対する理解がなければ使えないからです)。

ムーシールドやマルチファミリーはこのような骨格的に作用する装置からみると非常に簡便な装置です(それでも治療に理解は必要で、使ってくれなければなおりません)。

これらの装置を使用する場合は、矯正歯科医が行う分析(X線のセファロ分析)を行ってから、使用するのが望ましい治療法になります。

骨格的な問題が大きい場合、ムーシールドを使用しても意味がないからです。

その為、適時診断を行い使用するのが良いでしょう。

小児歯科の先生は、ムーシールドを継続的に使用する方もいますがこのような使用方法はおすすめしません。

9歳位になると他の矯正装置の方が効果が高いからです。

子供にマウスピース矯正を行うとしたらいつから行うのが良いのか?

江別・大麻の歯医者 YOU歯科 子供にマウスピース矯正を行うとしたらいつから行うのが良いのか

 

 

マウスピース矯正を行う時期に関しては、非常に難しい問題で小児歯科医と矯正歯科医の間では意見が異なる為に分かれてしまいます。

私自身は、日々小児歯科の診療もしていますが矯正歯科医の立場で時期の問題を論じます。

結論からいうと、重度の症例以外に早い時期からムーシールドなどを使用する必要はないと考えられます。

この理由は、多くの症例で混合歯列器と呼ばれる8~9歳位で治療を開始しても多くの症例で綺麗な噛み合わせを作ることが可能だからです。

将来手術を併用した矯正治療を行わなければならないほど、重度な矯正治療が必要になる場合は別ですが成長を予想するのは非常に困難なので、噛み合わせが大きく逆になっているなどの問題が無い場合は通常の矯正治療を開始する時期で問題ないでしょう。

私が行った子供の多くはマウスピースを使用した早期治療は保護者が手術を用いた矯正治療の経験がある方でした(自分と同じ経験をさせたくないと言う相談を受けましたので)。

子供にマウスピース矯正を行うとしたらいつまで行うのが良いのか?

子供の治療でマウスピース矯正を行う場合は、始める時期と同様に小児歯科医と矯正歯科医で考え方が異なります。

小児歯科医はムーシールドやマルチファミリーなどの子供に使用するマウスピース矯正装置を長めに使用する傾向があります。

具体的には、8~9歳位になっても使用することがありますし、長く使用する歯科医師では12歳位まで使用することもあるようです。

これは、矯正歯科を学んだものとして良くありません。

ムーシールドやマルチファミリーは骨格的な変化を促す矯正装置ではありませんので、成長期に使用することは良くないのです。

8~9歳位になると、骨格的変化が色々な不正咬合(矯正治療が必要な噛み合わせ)でも大きくなります。

矯正治療は、骨格的なコントロールを行う治療でもあります。

この時期に矯正歯科医は骨格的に問題がある場合は、適切な成長を促すような矯正装置を使用します。

これらの代表的矯正装置としては上顎前突ではヘッドギアー、FKO、バイオネータなど。

下顎前突の時に使用する代表的矯正装置としては、チンキャップ、上顎前方牽引装置などがあります。

これらの骨格的なコントロールが出来る時期は限られていますので、この時期にムーシールドやマルチファミリーを使用すべきではありません(骨格的な問題がない場合はこの限りではありません)。

適切な矯正診断を行い(骨格的な問題が存在するのかしないのか)、それを理解した上でムーシールドやマルチファミリーを使用するのは構いませんが、「子供の頃から使用しているから」とは「ムーシールドやマルチファミリーしか使用したことがないから」という理由ではこれらの装置を使用すべきではありません。

結論を言うと、矯正治療が必要な時期(8~9歳位)にはもうムーシールドやマルチファミリーを使用すべきではありません。

骨格的な問題がある場合もありますから、適切な診断を行うことは必須なのです。

ムーシールドやマルチファミリーをアマゾンなどの通信販売では絶対に購入しない方が良い

江別・大麻の歯医者 YOU歯科 ムーシールドやマルチファミリーをアマゾンなどの通信販売では絶対に購入しない方が良い

 

インターネット上を調べていたら仰天しましたが、ムーシールドやマルチファミリーをアマゾンなどの通信販売(ヤフオクでも出品されていましたが)では新品も売っていますのでちょっとびっくりしました。

これは絶対に購入しない方が良いです。

診断が行われないまま、使用することになるからです。

ムーシールドの原理の所で詳しく説明しましたが、骨格的な問題があるお子さんには使用しても意味がありません。

素人の方に「この子の噛み合わせ骨格的に問題があるわ。上顎骨劣成長だし・・・・」と診断ができる訳はありません。

素人の方が自己判断で使用すると噛み合わせに問題が生じる可能性が非常に高いです。

診断ができていない状態で使用すると、逆に噛み合わせに問題が出て、反対咬合の場合は最悪の場合は手術を併用した矯正治療が必要になる場合もあります。

この手術を併用した矯正治療になる可能性は一般的には低いですが、全体的な噛み合わせに関しては良くない影響を与える可能性が高いです。

これらのムーシールドやマルチファミリーは歯科医師の指導のもとに使用する装置ですから、このような大手のの通信販売サイトで購入して使用するのは辞めた方が良いでしょう。

このような製品まで売るとは、恐ろしい商魂ですね。

まとめ

大人に使用するマウスピース矯正装置と子供に使用するマウスピース矯正装置には大きく差があります。大人のマウスピース矯正で使用する装置は、個々の歯に対する動きについてアプローチする矯正装置であり、子供の矯正に使用するマウスピース矯正装置は、筋肉の働きや舌の位置を正しい状態に導くための矯正装置になります。その為、両者には素材の違いがあり使用目的が全く異なるものになります。子供の矯正治療に使用するマウスピース矯正装置をアマゾンなどの大手通信販売サイトで販売していますが、絶対に購入しないで下さい。正しい使用が出来ない為です。