江別・大麻の歯医者 YOU歯科 妊婦さんがのめる歯科の痛み止めについて

 

この記事は、

 

1.妊婦さんが飲んでも大丈夫な歯科の痛み止めは存在するのか?

 

2.妊娠中に市販の痛み止めを使用しても大丈夫なのか?

 

3.従来安全とされていたアセトアミノフェンが注意を喚起された理由について

 

4.結局アセトアミノフェンは妊婦がのんで安全なのか?

 

に興味がある方にむけて書いています。

 

1.妊婦さんが飲んでも大丈夫な歯科の痛み止めは存在するのか?

 

歯科領域は痛みを伴う事が多いので痛み止めを使用しなければ行けない事が沢山あります。

 

通常の状態ならば問題ありませんが、お腹に赤ちゃんがいる場合は中々難しい問題があります。

 

普通の痛み止めはもちろんのことですが、昔は比較的安全と言われていた「アセトアミノフェン」と呼ばれる薬があります。

 

これは、以前には妊婦さんに比較的安全に使用できる痛み止めとして第一選択されていた痛み止めがありました。

 

歯科においてはカロナールと言う商品名のものです。

 

妊婦さんには使用できませんが、抜歯などを行った場合強い痛み止め(最近、市販されているロキソニンなど)を飲んで貰わなければなりません。

 

しかし、強い痛み止めに対してアレルギーなどで使用出来ない患者さんに対して使用するのが「アセトアミノフェン」です。

 

ちなみにYOU歯科では「アセトアミノフェン 200mg NP」錠をいうもの(カロナールのジェネリック)を使用しています。

 

江別・大麻の歯医者 YOU歯科 アセトアミノフェン

 

いまだに、もっとも安全に利用できると考えられている痛み止めは「アセトアミノフェン」なのですが、ある事情によって使用が制限されました。

 

それは「アセトアミノフェン」が、お腹の中にいるお子さんに対してによって使用に関して注意が喚起され、妊婦さんに使用出来る安全な痛み止めではないと言う認識が、医師のみならず一般の患者さんにも与えられています。

 

その為、在では安全に安心して使用できる妊婦さんの痛み止めは無くなってしまっていると言うのが現状です。

 

しかし、現在でも「アセトアミノフェン」が妊婦さんに使用する第一選択薬です。

 

その理由については、

 

3.従来安全とされていたアセトアミノフェンが注意を喚起された理由について

 

 3)「アセトアミノフェン」が循環障害を引き起こす可能性が低い理由

 

4.結局アセトアミノフェンは妊婦がのんで安全なのか?

 

で詳しく解説しています。

 

2.妊娠中に市販の痛み止めを使用しても大丈夫なのか?

 

市販薬の痛み止めは安全だと考え使用する妊婦さんもいるかもしれませんがそれは間違いです。

 

時期によって色々な問題を生じますので注意が必要です。

1)妊娠初期において注意が必要な市販の痛み止め

江別・大麻の歯医者 YOU歯科 バファリン

 

妊娠の第二週から第15週目位までの妊娠初期の状態においてアスピリンが入った鎮痛薬はお腹の中の子さんに先天異常を生じさせる可能性があるので飲んではいけません。

アスピリンが入った市販の痛み止め

 

〇バイエルンアスピリン(佐藤製薬)

〇バファリンA(ライオン)

〇べネスロン(アスゲン製薬
〇ケロリンチュアブル(内外薬品

〇後藤散いたみどめ顆粒(うすき製薬)

〇べデクパウダー(鴨川工業)

〇エキセドリンA錠(ライオン)

〇ツースサン(長崎県製薬協同組合

2)妊娠後期において注意が必要な市販の痛み止め

江別・大麻の歯医者 YOU歯科 イブ

妊娠後期である28週目以降に注意が必要な市販の痛み止めはイブプロフェンが入った痛み止めです。このイブプロフェンが入った痛み止めは、お腹の中にいる赤ちゃんに対する血流量を減少させてしまう効果があります。

 

痛み止めには血管収縮作用があるので。

 

イブプロフェンが入った市販の痛み止め

〇イブ(エスエス製薬)

エコルネ(堀居薬品工業)

フェリア(武田薬品工業)

〇リングルアイビー(佐藤製薬)

3.従来安全とされていたアセトアミノフェンが注意を喚起された理由について

 

1)アセトアミノフェンについて

 

「アセトアミノフェン」は妊婦さんにも使用できると従来は安全な痛み止めとされていました。

 

しかし、妊婦に使用する際には注意を要する薬剤として注意を喚起する内容が添付文章にも記載される様になりました。

 

その為、以前よりは安全性に疑問を投げかけられるようになりました。

 

ちょっと、前置きが長くなりますが正しく理解するには必要なことなので「アセトアミノフェン」にはどの様なものがあるかついて説明します(インターネット上では誤った情報もありますので)。

 

「アセトアミノフェン」は、我々が処方する処方薬としては「カロナール」や「コカール」などの製品です(YOU歯科では「アセトアミノフェン 200mg NP」という「カロナール」のジェネリックを使用しています)。

 

江別・大麻の歯医者 YOU歯科 アセトアミノフェン

 

市販薬としては「タイレノールA」と「ラックル」があります。

 

「カロナール」や「コカール」(処方薬)と「タイレノールA」と「ラックル」(市販薬)は「アセトアミノフェン」を主成分とする痛み止め(有効成分である「アセトアミノフェン」の量が異なる事が多くあります(「アセトアミノフェン」の量については適時か確認が必要です)。

 

インターネット上では、誤った情報が溢れていて「カロナール」と他のこれらの「アセトアミノフェン」が違う薬剤であるような記載が見られる情報が幾つかあります。

 

しかし、「カロナール」や「コカール」、「タイレノールA」や「ラックル」は全て同じ「セトアミノフェン」を主成分とするものです。

 

その事を頭に入れてから続きを読んで下さい。

 

一部「カロナール」のみにお腹の中の赤ちゃんに対する循環障害(動脈管という胎児にある非常に重要な血管が収縮して心臓に負担をかけてしまう現象)が起こることを、記載しているサイトもありますがこれは間違いです。

 

これは「アセトアミノフェン」という薬剤全体に対する症例報告であって、「カロナール」のみに言えることではありません。

 

これによって「アセトアミノフェン」を妊婦さんに使用する事に注意が喚起されました。

 

今まで安全に使用されていた「アセトアミノフェン」が妊婦さんに使用できないとなると、他に使用できる安全な痛み止めはありません。

 

しかし、結論から言うと現在でも妊婦さんに対して使用できる第一選択の痛み止めは「アセトアミノフェン」です。

 

それについては

 

3.従来安全とされていたアセトアミノフェンが注意を喚起された理由について

 

 3)「アセトアミノフェン」が循環障害を引き起こす可能性が低い理由

 

4.結局アセトアミノフェンは妊婦さんがのんで安全なのか?

 

について詳しく解説しています。

 

何故このように、従来安全だった「アセトアミノフェン」が危険視されるようになったのでしょうか?

 

それは「アセトアミノフェン」が胎児の循環障害を起こす可能性があって、それについて詳しく解説をして行きます(2つの症例報告論文)。

 

2)胎児の循環障害について

これは、2010に行われた日本未熟児新生児学会という学会でポスター発表された2つの症例報告と言う数例の論文から導き出された問題提起です。

 

動脈管(ここで詳しく説明すると非常に長くなりますので、興味がある方はご自分で調べてみて下さい)という重要な血管が「アセトアミノフェン」によって細くなった可能性があるというものです(専門用語では動脈管収縮と呼びます)。

 

動脈管収縮というのは、軽度の場合はほとんど胎児に与える影響は少ないですが重度の場合は胎児の死亡につながるものです。

 

最初紹介する論文は千葉県にある病院の先生から出された、症例報告で「アセトアミノフェン」を1回飲んだだけの妊婦(妊娠38週に巻き爪にて)さんで、動脈管収縮が認められたものです1

 

次に紹介する論文は愛知県にある病院の先生から出された、症例報告で2つの例が紹介されています2

 

2つとも妊娠12週と23週に「アセトアミノフェン」をのんだようですがどれくらいのんだかは不明です1,2

 

これらの症例報告から、「アセトアミノフェン」を飲むと胎児に循環障害を与えると言う情報が広がります。

 

3)「アセトアミノフェン」が循環障害を引き起こす可能性が低い理由

「アセトアミノフェン」が循環障害を引き起こすという症例報告がなされ、妊婦さんに使用するのは従来とことなり注意が必要であるということが報告され注意が必要と言うことはわかりました。

しかし、これに対していろいろな医学的な反論がなされています。

 

確かに「アセトアミノフェン」による循環障害が全く可能性がない訳ではありません。

 

しかし、多くの医学的検討結果から「アセトアミノフェン」が循環障害を起こす可能性は限りなく低いと言う結果を導きだしています。

まず、最初に説明した1例の症例報告ですが論文を書いた人たちが、「この症例でアセトアミノフェンの影響定かではなかった」と結論づけています1

 

循環障害の原因である動脈管収縮作用がきわめて弱い「アセトアミノフェン」を1回のんだだけで、動脈管収縮を起こす可能性は医学的に極めて低いと言われています(4で後に動物実験論文を用いて説明します)。

 

次の2例の症例報告においても、妊娠12週と23週にのんだ(量や回数は不明ですが)「アセトアミノフェン」で2動脈管収縮が起こる可能性は低いと考えらます。

 

特に妊娠12週の報告では(動脈管の平滑筋がほとんど発達していない為)「アセトアミノフェン」を飲むことで動脈管収縮が起こることは医学的に考えて有り得ないでしょう。

4.結局アセトアミノフェンは妊婦さんがのんで安全なのか?

 

結局アセトアミノフェンは妊婦さんがのんで安全なのか?

 

今回「アセトアミノフェン」を妊婦さんが飲んで、循環障害を起こす危険性は医学的にみてほとんど無い事を詳しく説明してきました。

 

医学的理由をお知りになりたい方は

 

3.従来安全とされていたアセトアミノフェンが注意を喚起された理由について

 

 3)「アセトアミノフェン」が循環障害を引き起こす可能性が低い理由

 

に妊婦さんが「アセトアミノフェン」をのむことが何故問題になるかについて詳しく解説しています。

 

しかし、実際には問題とされたこの症例報告が「アセトアミノフェン」には循環障害には医学的にならない可能性が高いことがあるについても詳しく解説しています。

 

このチャプターでは更に代表的な動物実験について詳しく解説をしていきます。

東京女子医大の門間先生が行われたラットを用いた実験で動脈管の内径が50の収縮が起こるED5050%の動物で生じる確率)は300mg/kgです3,4

 

これは妊婦さんの体重が40㎏だとして12000㎎、50kgだとして15000mg60kgだとすると18000mgもの量が必要な計算になります(ラットと人間では単純比較はできませんが、数学上では)。

 

「アセトアミノフェン」の1回の極量が1000mgYOU歯科で使用ている「アセトアミノフェン」のカロナールは200mgなので極量は5錠です)ですから、体重が40kg12倍(カロナール60錠)、50kg15倍(カロナール75錠)、60kgだと18倍(カロナール90錠)になります。

 

これだと、錠剤を食べないと難しいですね(そこまで歯科では処方しないと思いますが)。

これらの理由からも、「アセトアミノフェン」が通常量で循環障害である動脈管収縮を引き起こす可能性は低いと思われます。

 

症例報告に対する医学的反論

 

3.従来安全とされていたアセトアミノフェンが注意を喚起された理由について

 

 3)「アセトアミノフェン」が循環障害を引き起こす可能性が低い理由

 

およびこれらの動物実験の両者からも妊婦さんに使用できる痛み止めの中で最も安全なものは「アセトアミノフェン」だと考えられます。

 

他の痛み止めは、お腹の中にいるお子さんに影響を与えてしまいますから。

 

もし、私が処方するならやはり「アセトアミノフェン」であるカロナールを処方します。

 

しかし、妊婦さん自身が不安なようなら辞めておいた方が良いと言う説明をします。

 

ただし、痛くて夜も寝れない&食事も上手くとれないということでしたらやはりカロナールを出しますが・・・・

 

お腹の中のお子さんに対する循環障害よりも悪影響を与えてしまいますので。

 

参考文献:

1平川健一郎,大曽根義輝,富田美佳,他:出生後より低酸素血症が持続し,胎児動脈管早期閉鎖(PCDA)が疑われた1例.日本未熟児新生児学会雑誌2010; 22: 601

2松沢麻衣子,林誠司,渡邊由香利,他:胎児診断の有無により対照的な経過を示した胎児動脈管早期閉鎖の2例.日本未熟児新生児学会雑誌2010; 22: 602

3)門間和夫:抗炎症剤によるPersistent Fetal Circulation.産科と婦人科1983;50:512-515

4)門間和夫,小西貴幸,高尾篤良:抗炎症剤による胎生期動脈管収縮.医学のあゆみ1985;134:397-402

 
YOU歯科 院長 歯学博士 石井 教生
 

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