江別・大麻の歯医者 YOU歯科 大人の飲みこみ方と子どもの飲みこみ方の違いについて

 

食べ物や飲み物を飲みこむことを専門用語ではこれを「嚥下(えんげ)」と呼びます。

 

現在日本は高齢者社会になって来ていて、この嚥下に関して社会的に大きな関心を寄せています。

 

しかし、実は高齢者だけではなく子供特に乳幼児の嚥下(以下 乳幼児型嚥下とします)が、乳歯がはえ揃う頃の3歳以降も残ってしまうと噛み合わせに大きな影響が出てしまいます。

 

3歳ならば、大人ではありませんがこのブログでの分類上は大人の嚥下(以下 成人型嚥下とします)としてお話をさせていただきます。

 

乳幼児型嚥下(飲みこみ方)が、歯がはえ揃った時にそのままの嚥下方法が残ってしまうと、どのような噛み合わせになるかについて、まず簡単に説明します。

 

それは「開咬(かいこう)」と言う状態です。

 

江別・大麻の歯医者 YOU歯科 開咬写真

                        開咬 日本小児歯科学会ホームページより引用

 

これは、臼歯が噛んでいるのに前歯が空いた状態の噛み合わせを言います。

 

この状態だと、前歯で物を噛み切ることが出来ませんから、物を噛むことで大きなハンディキャップになります。

 

昔8020運動(80歳で20本の歯を残す)の咬合状態を調べた時にこの開咬が一人もいなかったということも非常に興味深いものがありました(ちなみに反対咬合も一人もいませんでした)1)

 

これらの研究からも、このような噛み合わせになってしまうと、将来歯の残りが悪くなってしまうと言う恐ろしい研究です。

 

それでは具体的に乳幼児型嚥下と、成人型嚥下ではどのような違いがあるのでしょうか?

 

それらについて詳しく説明をしていきます。

 

1.乳幼児型嚥下について

 

生まれてすぐの状態はお口の中に歯がありません。

 

生後6ヶ月位で歯(乳前歯)が生えてきますが、乳歯の最も奥の臼歯である第二乳臼歯がはえてくるのがおおむね3歳前後です。

 

歯科矯正学の教科書のひとつであるMoyersによるとこの乳児型嚥下は18ヶ月の頃に終了するようです。

 

それまでの間には、乳児型嚥下が残ってしまうと問題になります。

 

理由は、歯が生えていない状態の図を使って説明をします。

 

江別・大麻の歯医者 YOU歯科 乳児型嚥下図

 

歯が生えていない状態で、栄養をとることになります。

 

この時、哺乳瓶の乳首やお母さんの乳首から育児用ミルクや母乳(この両者をミルクとします)を飲むことになります。

 

このとき、当然ですがお口は(唇)は少し開いた状態になります(乳首が入りますから)。

 

そして、お口のまわりの筋肉や顔の筋肉(専門用語でこれを口輪筋や顔面表情筋と呼びます)などでまだ歯が生えていない下あごの位置安定させてミルクを飲む形になります。

 

ミルクを吸い込むようにしないと(お口の中を陰圧にしないと)当然ですが栄養を摂取することができません。

 

そして、図のように舌はまだ歯が生えていない顎堤(がくてい)の間に入れて嚥下操作を行います。

 

2.成人型嚥下について

 

成人型嚥下を理解する為には、これを読んでいる大人の方がまずつば(唾液)を飲み込んでみてください。

 

その時、注意すべき事は舌の先端がどこにあるかということです。

 

通常はスポットと言う位置に舌があることがわかると思います。

 

江別・大麻の歯医者 YOU歯科 スポットの説明

 

舌が歯を押してたりしている場合は嚥下方法に問題があります。

 

表1にと乳幼児型と成人型の嚥下の違いについて簡単にまとめます。

 

江別・大麻の歯医者 YOU歯科 乳幼児型嚥下と成人型嚥下の比較

 

ここで、下の先端がスポットになく歯を押していたりする場合は乳児型嚥下が残ってしまった証拠になります。

 

しっかりとスポットの位置に舌があれば多くの場合は問題ありません(その場合は筋肉の使いかたにも問題がない場合が多いです)。

 

また、成人型嚥下の場合は上下の奥歯がしっかりと噛んで嚥下する形になります。

 

江別・大麻の歯医者 YOU歯科 乳幼児型嚥下と成人型嚥下の比較

 

これは、乳幼児型嚥下とは飲み方が異なり、さらに使う筋肉が変わってきます。

 

乳幼児型嚥下の場合は、お口の周りの筋肉や顔の表層筋肉(専門用語で口輪筋や表情筋と言います)を使用して飲み込む動作を行いますが、成人型の場合は乳児型嚥下に使用する筋肉とは違う筋肉(専門用語でこれを下顎挙上筋と呼びます)を使用して飲み込む動作を行います。

 

これの簡単なチェック方法は、こめかみに両手を当てて飲み込むときに、こめかみの筋肉が動くかどうかを判定します。

 

上下の歯が接触するので若干咀嚼筋(そしゃくきん)と言う噛む筋肉が収縮するためです。

 

こめかみの筋肉は、咀嚼筋の中の側頭筋(そくとくきん)と言う筋肉です。

 

舌の位置がスポットにあり、こめかみの筋肉が動けば問題なく大人の飲み込み方が行えていることがわかります

 

その他には、あごのエラの部分(咀嚼筋の中の咬筋:こうきん)も動くかどうかを確かめる方法もありますが、分かりやすいのはこめかみだと思いますので。

 

これらのことから、歯がある状態の飲み方と歯がない状態の飲み方では大きな差があることが理解して頂けたと思います。

 

次のブログでは、歯がはえてきても乳幼児型嚥下を行う場合に我々矯正歯科医が行う飲みこみ方の練習について詳しく解説をしていきます。

 

参考文献:

宮崎 晴代ら:8020達成者の歯科疾患罹患状況および生活と健康に関する調査結果について.歯科学報, 104(2):140-145.
 

YOU歯科 院長 歯学博士 石井 教生

 

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